機材係Aです
■ アイティプランターとは
アイティプランター=「IT」+「プランター」
アイティプランターは3年前に誕生した室内用栽培装置です。
パソコンと接続し、栽培品種毎に栽培プログラムをダウンロードできます。
もともとは効率のよい植物の育て方(光と水)を研究する目的で作られたものだそうです。
いろんな方に見せると、趣味的なところにも使えるだろうということになったそうです。
形はご覧の通り、四角い箱状。
坂口さんが研究室でもMACを好んで使ってらっしゃるせいか、
デザインはややそんな雰囲気です。
(ちなみに
AもMAC好きです。)
インテリアサイズのため、デスクに置いたりもできます。
アイティプランターの天井内側部分にはLEDの小さいランプが並んでいます。
本来、植物は外で育ちますよね。
部屋の中では、光が弱いから枯れてしまいやすいんです。
でも、LEDを使うと強い光を得られるので、室内でも植物が育つことが出来るそうです。
また、下の床部分には、最大16株植えられるよう、16個の穴が開いています。
ハーブもよく育つし、トマトやいちごも育てられるそうですヨ。
ただし、大きく育つものは加減が必要だとか。
例えばレタスやキャベツなら、1個でスペースがいっぱいになってしまいます。
「1ヶ月でジャングルのように育ちますので。」
たくさん植えたい場合は、アイティプランターを積み重ねて使うこともできます。
今のところ、アイティプランターのおもな利用者は、
植物の学者さんや立命館の学生さんだそうです。
学生さんは学部に関係なく、興味持った人が卒業研究に使っているそうです。
もちろん坂口さんご自身も
「植物はいつ水を吸っているか」などの実験をなさっています。
植物は、DNAレベルで解析して、
ここにこういう物質があるよというのはかなり解明されているけれど、
どういうときにどういうプログラムが動くのか
ということはまだまだわかっていないそうです。
外で普通に植物を栽培した場合、
条件が変化したり複雑に絡み合うので正確なデータを取ることが難しいのですが、
アイティプランターを使うと、一定の条件の下でデータを取ることができます。
ちなみに植物は、カラカラになった時に、まとめて勢いよく水を吸うそうです。
「スっと吸って、たんまり吸うんですよね。それで吸わない。
で、喉が渇いたら勢い良くギューと飲んでしまうという。
外の植物も、雨が降った時、水があるときに集中して吸うということがわかってね。」
ほかの「一日に、どのくらい光を当てるとよく育つか」という実験では
強い光と弱い光を交互に当てると良いということがわかったり、
光を当てる前に水を吸わせると良いことがわかったり。
「光合成に水がいるんで。光が当たってないときに水をやってもしかたない。」
坂口さんは、
「植物は生き物なんだけれど、遺伝子のプログラムに従って実行している機械」という、
普通人が思いつかないような発想をされますが。
うーん、やはりAとは頭がぜんぜん違うなあ
上手に動くような条件を外から与えてあげると、
成長や形態、味まで変わってくるそうです。
さらに、水をやる量・光のあてる時間を変えると、
植物の成長をコントロールできるとのこと。
■ アイティプランターの仕組みと植物の育て方
開発当初、LEDの光はまだまだ弱く、
LEDでは植物が育たないと言われていたそうです。
その後、LEDが改良されて、十分な光を得られうようになりました。
LEDは熱を持たないので、近くから光を当てることができます。
LEDの直線性も良い効果をもたらしました。
今年6月に予定されている新型では、
10万ルクスという、太陽と同じくらいの強さの光を当てることができるそうです。
相当電気代がかかるのかと思いきや、消費電力は8W/h。
だいたい廊下に付ける常備灯くらいだそうです。
ガラスが貼られていないので、例えばハーブのようなものを植えた時、
そのままお部屋に香りが広がります。
研究室も、エステルームみたいに、ハーブの良い香りが漂っていました。
坂口さん「虫も来ますね、部屋の中でも。おいしいものあったら来ます」
温度管理は、人間の住んでいる部屋ならOKとのこと。
すごく寒い部屋や、暑い部屋はNGです。
アイティプランターには水タンクがついていて、
タンクから定期的に水を吸い上げる仕組みになっています。
土はなく水耕栽培方式です。
ほかに、栄養補給は必要とのこと。
かおりっくす「それは…自動でやってくれるんですか」
坂口さん「それは…自分でやってください
肥料を1000倍希釈で水タンクに薄めて入れておいてください。」
一度入れると2週間くらい持つので1ヶ月に2回くらいでOKだそうです。
水がタンクからなくなったら赤いランプが点くから、水を入れる。
水も2週間に1回でOKです。